胎児の時に受ける環境ホルモンが一番危険!【PART2】
さて、PART1で述べたように、性分化の時期をすぎても、胎児はまだまだ危険にさらされています。
その理由は大きく4つもあり、過去の環境ホルモン汚染問題と無関係とは思えない障がいが増えているのです。
赤ちゃんはどうして影響を受けやすいのでしょうか。
胎児が化学物質の影響を受けやすいのは?
いわゆる「安定期」に入った赤ちゃんでも、胎児が化学物質の影響を受けやすい状態に変わりはありません。
身近にあふれる石油化学物質は、分子が小さいため胎盤を通り抜けてしまうからなのです。
胎児が影響を受けやすい理由を挙げてみましょう。
①皮膚バリア機能が未熟
大人の皮膚のバリア機能は強いもので、簡単には破られませんが、まだ成長段階で機能が未熟な胎児から新生児期の赤ちゃんには皮膚バリア機能が完全ではありません。有害なものが入ってきたり、触れたりしても、防御できないのです。
②肝臓での代謝・解毒機能が未熟
肝臓は解毒作用をもっており、毒性のものが入ってきても、代謝できる機能があります。
例えば皮膚や口から有害物質が入ってきたとしても、肝臓で解毒して毒性を消すことができるのです。ところが胎児や新生児はまだ肝臓機能が未熟。しかも皮膚バリアも未熟なので毒がそのままたくさん入ってきていると考えられます。万全の気を配って、胎児や赤ちゃんを守らなければなりません。
③血液—脳関門の機能がまだ働いていない
大人の脳には、血液との間に「血液—脳関門」と呼ばれる生体膜でできた関所があります。
そこでは、脳に悪影響を及ぼす化学物質が簡単に脳へ通り抜けないようにしているのです。この関所で外部からの有害化学物質の脳への影響を最小限に食い止めています。
ところが、生後6ヶ月までの赤ちゃんは、まだ「血液—脳関門」の機能ができあがっていません。つなり、この時期は体外からの異物や有害物質、環境ホルモンが脳へ運ばれてしまうということなのです。
以上3つとPART1で述べた不可逆的反応によって、胎児期から新生児期の赤ちゃんは、非常に危険な状態というとなのです。大切な赤ちゃんを、全力で有害物質から遠ざける努力をしなければなりません。
参考文献:「経皮毒からの警告」
94
関連項目
『胎児の時に受ける環境ホルモンが一番危険!【PART2】』について、多くの人に知って欲しいです
あなたの「いいね!」から共感の輪が広がり、みんなの「いいね!」が社会に反映されると、とても嬉しいです。情報の拡散にご協力をお願いします。関連記事
-
環境ホルモンって結局なに?ほんの少しが命取りになる?
1997年に出版された「奪われし未来」で注目を浴びた環境ホルモン。 日本でもかな …
-
産婦人科の現場、肌で感じる化学物質の影響とは?
環境省は、1998年以来発表してきた環境ホルモンのリストを「社会不安をあおる」な …
-
これだけは知っておきたい!代表的な環境ホルモン~PART2~
環境ホルモンと呼ばれる物質は、私たちの生活するごくごく身近に存在しています。「知 …
-
女性ホルモンと同じ作用を持つ環境ホルモンとは?
すでに叫ばれて久しい「環境ホルモン」ですが、耳にしたことはあっても、本当にその恐 …
-
ヒトの精子が減少している?!環境ホルモンの関与とは?
ここ数十年で、婦人病が増えていることは何度も書いてきましたが、実は男性の方へも環 …
-
アメリカ五大湖汚染は、人へも影響している?その影響とは?
「奪われし未来」を書いたシーア・コルボーン氏は、アメリカ五大湖に生息する野生動物 …
-
食物連鎖のトップは人間。濃縮汚染から守るためには
食べ物には気をつけていても、知らず知らず汚染されたものを口にしていることがありま …
-
胎児の時に受ける環境ホルモンが一番危険!【PART1】
母親から子どもへ受け継がれる環境ホルモンの被害のことを「継世代毒性」としてご紹介 …
-
環境ホルモンがわずかで作用する、そのわずかはどのくらい?
「ほんの少し」で私たちの身体に影響を与えてしまう環境ホルモン。 身体の中にはいろ …
-
性の早熟化が世界的にすすんでいる?その理由とは?
世界的に見て、婦人病が増えているのは明確ですが、特に気になるのは性の早熟化です。 …