水が気持ちよく、油分が気持ち悪いと感じるカラクリ
2018/05/30
化粧品の広告では、「ベタつかないのに、しっとり」という売り文句をよく耳にしますね。裏を読めば、ベタつくのは嫌い、しっとりは好きということですよね。
実は水分を好み、油分を嫌うのには、生物としての原始的な本能があったのです!
皮脂が気持ち悪い理由
6500億年前、巨大な隕石が地球にぶつかり、地球は劇的に寒くなり、生物たちは進化を余儀なくされました。当時生きていたとされる恐竜たちは、表皮の角質層の一部を残して毛や羽に変化させることで、寒さをしのいだのだそう。
恐竜から進化したほ乳類や鳥類にも毛や羽があり、薄くなった角質層を守るために多量に皮脂が分泌されるように変化していったのだそうです。
角質層を守るための皮脂ではありますが、そのままでは毛や羽がダマになったりよじれたりして、防寒の役を果たせなくなります。
そこで、皮脂が少しでも溜まると「気持ち悪い」という情報が脳にインプットされたと考えられています。
水分が気持ちいい理由
さて、皮脂がたまって「気持ち悪い」とどうするでしょう?動物を観察してみると、よく自分の身体を舐めたりくちばしで突いたりして身づくろいしていますよね?これは、出すぎた皮脂を舐めとって、毛並みのよじれを防いでいるのだそうです。
そして、この時に脳にインプットされたのが「皮脂をなめとると気持ちいい」ということなのです。
ヒトもほ乳類の一種です。進化のうちに、脳が発達しすぎて自分で背中をなめることができなくなった人間たちは、道具を使うことを覚えました。
ただし、原始的本能である「油は気持ち悪い」「水分は気持ちいい」というものは残ったままなのです。
原始的本能が化粧品に活かされた結果…
このように、原始的本能で油分を嫌い、水分を好むわたしたちは、頭がいいのでどんどん好みに合うように化粧品を作ってきました。だから、「ベタつかない」「さっぱり」「しっとり」といった謳い文句の商品を好むのでしょう。
しかしながら、水分を多く含む化粧品を作るには、合成界面活性剤がたくさん必要です。いくら原始的本能が「気持ちいい」と言っても、合成界面活性剤の力に頼るのはいただけませんよね。
●まとめ
何千億年も前から刷り込まれた本能によって、わたしたちは心地よさと気持ち悪さを感じているのですね!
それでも、合成界面活性剤は肌バリアを壊すことをお忘れなく!
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関連項目
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