皮膚から、毒が侵入する「経皮毒」とは?
2016/11/16
普段何気なく使っているもので、肌に直接触れるものって、結構たくさんありませんか?実はその中に、肌を通過して侵入し、毒となる物質があるとしたら…「経皮毒」についてご説明します。
「経皮毒」って何?
端的に言えば“皮膚から有害化学物質が吸収されること”を言います。そう、皮膚からも、色んな物質を体内に吸収してしまうのですね。
日々肌に触れるものの中に、もしも有害な化学物質が含まれていたら…考えただけでもゾッとしますが、正しく知っておけば注意することができます。
どんな「経皮毒」があるの?
衣類を洗う洗剤、化粧品、シャンプー、プラスチック製のおもちゃなど、直接肌に触れるものから、間接的なものまで、様々な「経皮毒」の可能性が指摘されています。心配な方はそれらに含まれる原材料など、よく確かめた上で使用しましょう。
実際に起きた「経皮毒」の悲しい事件
夏によく使用する虫除けスプレーによって、起こった悲しい事故をご紹介いたします。
虫除けスプレーに含まれる「昆虫忌避剤DEET(ディート)」が経皮吸収され、3歳、5歳の子どもがいずれも脳障害を引き起こす事故となってしまったというのです。
3歳の子どもは、ディートを含んだ虫除けスプレーを、2週間毎日使用したとのこと。
5歳の子は、同じく虫除けスプレーを全身に2回塗布後、突然けいれんを起こしてしまったのだそうです。
昆虫忌避剤DEETの害とは?
DEETは、口からの吸収による毒性は少ないと言われていましたが、経皮吸収、つまり皮膚からの吸収が早いと言われています。DEETは、神経毒性があると懸念されてきましたが、通常の使用では問題ないと思われてきたのです。
ところが、上記のような事件をきっかけに、2005年8月、生後半年以下の乳児には使わないことを促す注意書きが表示されることになりました。
ですが、実際に事故に遭ったのは3歳と5歳の子ども。食べ物ではないからと軽視されがちなので注意が必要です。今回のこの事故によって、経皮から吸収される経皮毒の恐ろしさが判ります。大人がしっかりした知識を持ち、正しく判断して欲しいところです。
正しい知識を持つことは、大切な子どもを守ることにつながります。知っていれば防げることですから、これからも一緒に勉強していきましょう!
※参考
昆虫忌避剤DEET(ディート)【Wikipediaより】
ディート (DEET) は昆虫などの忌避剤(虫よけ剤)として用いられる化合物である。IUPAC名は N,N-ジエチル-3-メチルベンズアミドだが、N,N-ジエチル-m-トルアミドとも呼ばれる。分子量 191.27。融点 −45 ℃、沸点 285 ℃で、常温では無色液体である。水には溶けにくくアルコールなどの有機溶媒によく溶ける。CAS登録番号 [134-62-3]。
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関連項目
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