母乳からダイオキシンが検出された?!【PART2】
2016/11/16
前回、母乳から環境ホルモンであるダイオキシンが検出されたという衝撃的な記事をご紹介しました。
さて、では母乳にすべきか、人工乳に切り替えるべきなのかは大きな問題となってきます。母乳のメリットとデメリットを比べて、どちらが赤ちゃんにとって本当にいいのか考えてみましょう。
母乳のメリット
赤ちゃんにとって生まれて初めて口にする母乳。どんな優れた点があるのでしょうか。
①初乳(分娩後数日間の母乳)には免疫抗体が含まれており、抵抗力のない赤ちゃんを病気から守る
②良質のタンパク質(ラクトフェリンなど)だから、赤ちゃんがアレルギーをおこさない
③授乳というスキンシップは母子ともに必要で大切なもので、赤ちゃんの発育にも関連があると言われる
④母親の産後の体調を戻すためにも、母乳を与えるのは効果的
母乳を与えることは、栄養の面だけでなく、赤ちゃんの精神的発育にも大きく影響しているのです。
もちろん母親にとってもメリットが大きいので、もう少し探ってみましょう。
厚生労働省が出した答え
平成11年、厚生労働省は母乳と人工乳を与えた乳児についての調査研究を報告しました。
母乳を与えられた赤ちゃんは、ダイオキシンによる影響がほとんど見られず、一歳までの発育も正常範囲内だったとしています。
これにより、厚労省が出した解答は
「我が国においては、乳児に与える母乳中に一定程度のダイオキシン類が含まれているものの、その効果及び安全性の観点から今後とも母乳栄養を進めていくべきである」としています。(引用:「女性を悩ませる経皮毒」池川明著)
つまり、母乳をやめる必要はなく、そのメリットからできるだけ母乳で育てましょうという結論を出したのですね!
母乳とダイオキシン
とりあえず、母乳で育てて良いという結果で一安心です。その他にも、母乳についての調査結果があるのでご紹介しておきます。
・母乳のダイオキシン濃度は昭和48年から平成11年にかけてほぼ半分に減少している
・母親が高齢になるほど濃度が高い
・廃棄物処理場の近くに住んでいるかどうかは母乳中の濃度と関係ない
・妊娠中のつわりがひどいほど、濃度が高い傾向
・第一子は、第二子、第三子に比べてダイオキシンに汚染されている
・母親の喫煙や受動喫煙はダイオキシン濃度と特に関係性が見られなかった
・一般的な傾向として、ダイオキシンは乳肉類から、PCBは魚介類からの摂取が影響を与えている
母乳は赤ちゃんにとってメリットが大きいことがわかりました。
必要以上に心配せず、赤ちゃんには母乳をしっかり飲ませてあげてくださいね!
参考文献:女性を悩ませる経皮毒
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関連項目
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