アメリカ五大湖汚染は、人へも影響している?その影響とは?
「奪われし未来」を書いたシーア・コルボーン氏は、アメリカ五大湖に生息する野生動物に異常が見られることを指摘して、世界中に衝撃を与えました。
その原因はPCB汚染であると指摘され、さらには人類の脳発達へも影響がある可能性を指摘しているのです。
PCB汚染とは?
ポリ塩化ビフェニール(PCB)とは、ダイオキシンに似た構造で、エストロゲンの働きを邪魔する作用があると考えられます。
生産中止から30年以上が経ちますが、現在でも環境や人体からその成分が検出されています。五大湖に生息する魚や鳥たちにPCB汚染が拡がり、その魚を食べていた周辺住民にも影響がみられるようになったのです。
PCBが原因?脳発達への影響
五大湖周辺では、月に2〜3回五大湖の魚を食べていた妊婦のへその緒、その赤ちゃんからPCBが検出されました。PCBが検出された母親は、他の地域に比べると高確率で低体重児、頭が小さいなどの奇形児出産が確認されたというのです。
また、赤ちゃんも新生児けいれん、認識障がい、注意欠陥や多動行動などの異常行動が多くみられたといいます。その後の追跡調査では、子どもたちの知的平均が低いこともわかりました。
この結果から、母親の胎盤を経由して環境ホルモンの影響を受けた胎児は、神経系の発達が阻害されていることが明らかになりました。
その後の動物実験
人への影響を見て、動物による実験が行われました。五大湖の鮭30%を混ぜたエサを20日間ラットに食べさせ、その行動を観察するというものです。
その結果、普段のラットたちには深刻な学習能力の低下は見られませんでした。しかし、ストレスがかかると過剰反応を起こすという異常が見られました。
このことから、近年問題にもなった「キレやすい」人たちの行動と重ねる見方もあります。
環境ホルモンは、残留性が高く、生産中止になって何十年経っても環境や動物、人にも影響を与えています。
現代社会の問題となっていることと重ね合わせてみても、決して無関係とは思えないですよね!大切な未来を守っていきましょう。
参考文献:経皮毒からの警告
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関連項目
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