胎児の時に受ける環境ホルモンが一番危険!【PART1】
母親から子どもへ受け継がれる環境ホルモンの被害のことを「継世代毒性」としてご紹介してきましたが、さまざまな実験や研究から、胎児の時に受ける有害物質が、一番リスクが高いことがわかってきました。
どうして胎児が危険なのか、詳しくみていきましょう。
赤ちゃんの不可逆的反応とは?
ホルモンは分泌されると対応するレセプターと結合して対象の組織に作用します。ホルモンが出なくなると、組織は元の状態に戻ります。
ただし、胎児期から新生児期の赤ちゃんは、ホルモンとレセプターが1度くっつくと、ホルモンが出なくなっても組織が元の状態に戻らないことがあるのです。
このことを不可逆的反応と呼びます。胎児期に胎盤から分泌されるホルモンが、ほんの少し崩れただけでも、赤ちゃんには大きな影響があるのです。
先天的に生殖機能や臓器、器官の形成異常、神経系の障害や脳の発達障がいは、この不可逆的反応が原因ではないかと考えられています。
妊娠2〜4ヶ月に性が決まる
おなかの中の赤ちゃんは、妊娠6〜12週目には生殖器ができあがります。
そして10〜18週目には脳機能がつくられるという大事な時期です。この時期に母親の胎盤から、本来のホルモンではない環境ホルモンが影響を及ぼすと、不可逆的反応を起こして性分化に影響を及ぼす可能性があるというのです。
生殖器の発育不全や性同一性障害などもこの時期の影響のせいではないかと考えられています。
しかも、妊娠18日以前に化学物質の影響を受けた場合には、流産になるか完全に修復されて正常分娩になるか、はっきりと分かれるのだそうです。
赤ちゃんの大切な時期に、母親が環境ホルモンの影響を受けるかどうかは、赤ちゃんの将来を大きく左右するのですね。
妊娠前から妊娠初期は、母親でさえ妊娠気付かない時期です。
知らないとはいえ、赤ちゃんは成長する上で大きな影響を与えられているのです。子どもを持とうと考えている女性は、環境ホルモンに本当に注意して欲しいと思います。
PART2に続く
参考文献:経皮毒からの警告
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