ヒトの精子が減少!原因は環境ホルモンかも?
2016/11/16
少子化が問題とされていますが、実は成人男性の精子数が減っているという衝撃的な事実が調査でわかっています。その原因を、探ってみましょう。
50年間で精子の数が半分に!
1938年~1990年の約50年間にわたって調査研究を行ったデンマークのスカッケベック博士らによると、成人男子の精子の平均個数が約半分になったと報告されています。
同時に、精液1mlあたりに1億個を越える精子を備えた成人男子の数も減っていることがわかりました。
ベルギーの研究では、成人男子の精液に奇形などの異常な精子が増えていることも報告されています。
日本でも精子減少が明らかに!
1948年から慶應義塾大学で行われている人工授精の研究では、健康な20~25歳の日本人男性の精子濃度が減少しているという結果が出ました。
減少が見られる期間は1970~1998年。特に1990~1998年に採取された精子は、より濃度が薄くなっていたということです。
精子減少の原因はどこにある?
生殖機能に異変が起こるのは、胎児期にあると考えられます。精子減少が問題となっている男性でいうと、精子をつくる精巣ができる胎児の時期ということですね。
調査対象であった精液は20~25歳の男性のものなので、逆算すると、影響を受けたと考えられるのは1940年代後半から1970年後半。この時期、日本では何が起こっていたでしょうか?
高度経済成長期の環境ホルモンが原因か?
その年代を振り返ってみると、日本は高度経済成長期でどんどん工場が乱立していました。大気汚染が問題となり、各地で公害が深刻な影響を与えていた時期です。
この化学物質=環境ホルモンが、現在の成人男子の精子減少に影響していると考えられているのです。
胎児期に影響を受けるのなら、母親になる前に環境を整えることを考えなければなりませんね。
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